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歳よりこわい不活動



秋も深まり、布団の中が気持ち良い季節になってきました。

今回コラムを担当させて頂く理学療法士の松田です。

病院に勤務しながら、趣味でソフトボールや登山などを”時々”しています。時々の運動はやはり身体にこたえるもので、昨年30歳を迎えた私は「歳のせいかな」なんて

   事を言うようになりました。皆さんもついつい言ってしまうことはないですか?


でも本当にそれは”歳のせい”でしょうか。

確かに人は、30歳を過ぎると10年ごとに約5%の割合で筋量が減少すると言われています。

しかし、人は活動しないことでも衰えます。最大筋力は1週間の不使用で10~15%低下すると言われています。

歳によるものは10年間で約5%です。不活動によるものは1週間で10~15%です。活動しないというのは、歳をとるより恐ろしいのです。

リハビリテーションの現場では、早期離床・早期リハビリが重要とされています。急性期病院では、手術されたばかりの方、ICUで人工呼吸器を装着しているような方でも、医療的管理の下に、早期よりリハビリが行われています。それだけ不活動による身体への影響は恐ろしいのです。

これは急性期だけではなく、骨折後や脳卒中後にリハビリが集中的に行われる回復期、在宅に戻られてからの生活期でも同様に、不活動にならないようにリハビリが行われています。



病気を予防し健康を維持するために 食事・運動・休養・喫煙・飲酒などの生活習慣の改善が重要と言われています。

その中でも、適度な運動は効果的とされています。運動をすると、血流改善により新陳代謝が促進される、中性脂肪が減る、血糖値や尿酸値・血圧などが改善される、心肺機能が強化される、ストレスが軽減するなど、運動にはたくさんのメリットがあると言われています。

ここで大切なのは”適度”な運動ということです。”過度”な運動は、他の部位に支障をきたし、痛みが出たり、疾患があれば悪化したりする可能性がありますし、なかなか長続きもしません。無理は禁物です。まずは、いつもの生活の中に出来る運動を取り入れていくと良いと思います。

例えば、テレビを見る時はストレッチをしながら見る、歯磨きをする時はスクワットをしながらする、毎朝ラジオ体操をする、出来るだけ階段を使う、一駅分は歩いてみる、などいつもの生活の中に簡単な運動から取り入れてみてはどうでしょうか。

そして、普段運動をされる方もされない方も、体重や体脂肪率、毎日の歩数、健康診断の結果など、目に見える値をチェックするようにすると、運動に対する意識も変わってくると思います。


生活の中に運動の習慣を取り入れることで、病気を予防し健康を維持する一助になると言われています。

歳をとるよりも恐ろしいのは不活動になることです。活動的で健康的な生活を送っていきましょう。そして、怪我しにくい身体でスポーツや趣味を楽しめると良いですね。

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