13年ぶりの自立歩行訓練はじめました!


皆様、初めまして。

Needs スタッフの西島玲那(にしじま れな)です。

まずはちゃらっと自己紹介。

私は、30代後半の二の腕たるんな女です。ほほほ。

15歳でがくっと見えづらくなり、19歳で光がかろうじてわかる程度まで見えなくなってしまいました。

現在は、相当に強い光を当てられないと、もう光を感じることもできません。

加えて、30歳頃から眼球がゆらゆら揺れるようになり、三半規管にまで影響が広がってしまったおかげで、ぐらぐら揺れる世界で生活することになってしまいました。


そんなこんなで、体にはちょろちょろと不便がついてくるのですが、母や父、ご先祖様が、好奇心旺盛につくってくれたおかげで、退屈することなく、きゃっきゃら過ごしております。


Needs のメンバーになって、早いもので半年が過ぎました。

でも、未だに「自分には何ができるだろう・・・」なんて、思春期みたいなことを考えて、頬杖ついてため息なんかついちゃったりしています。


コロナウイルスの大流行に世界が翻弄されている間に、私の生活もがらりと変化しました。

昨年の10月に13年連れ添った盲導犬を見送り、さびしさで目も鼻の粘膜もぱんぱんに張りながら、白い杖で外を歩く練習を始めたり、心も体もお犬に頼り切っていた自分と、向き合う一年になりました。



毎回毎回、家の外に一人で出る度、心臓がバクバクし、冷や汗をぐっしょりかくのは一年たっても全く変わりませんが、少しずつ動ける範囲を広げていくフロンティーア気分を、奥歯のあたりで感じるゆとりが少しずつ出てきたところです。


皆様もご存知の通り、全ての道に誘導ブロック(点字ブロック)が敷き詰めてあるわけではないので、「はてはて?ここでは何を辿っていこうかな」と探しながら歩いたり、太陽の位置や風の向きを指標にして、自分の立っている場所を確認したりと、自分の感覚と頭の中の地図を重ね、誘導ブロックに変わるマークを探しながら、「自分」という乗り物を脳内で作ったレールに乗せて歩いているのです。

ですが、すっかり感覚も鈍くなった今の私では、頭ではわかっていても体がすんなりいかない!


更に、運が悪いことに、コロナ対策のマスクがめちゃめちゃ感覚を鈍らせてくるのです。

マスクをつけて外出してみて、いかに自分が嗅覚にも重きを置いていたか、いやになるほど実感しました。

音や空気の流れで、距離感を測っていると思っていたのですが、実際は嗅覚を組み合わせることで微調整をしていた自分に気がついたり、駅などの人が多いところに踏み入ったときの「人間臭」で間をとり、自分の身の安全を確保していたり、かなり瞬発的に直感的に判断するものの、精度をぐっとあげてくれているのは「におい」だったんだと気がつきました。


視覚障害や聴覚障害は、「情報障害」と随分前から言われてきた歴史があります。

それは、情報を手に入れにくいということだけでなく、限定的な情報をどう飼い慣らしていくのか、とも向きあい続けていかねばならないことでもあります。


外を歩くというだけで、緊張で額に脂汗が浮き、指先が冷たくなって感覚が鈍くなります。

立ち止まって、手のひらを擦って温め、仕切り直して杖を構え、周囲の音にじっと耳をすまして、タイミングを図り、また一歩を進めていくのです。


自分の中にある、呼吸や心拍数、皮膚感覚や深部感覚を調整し、

外から与えられている情報を、半分は自分のペースで、もう半分は「外」のペースで取り入れていく。

その繰り返しが、自分の体を目的地に向かわせているのです。




なーんて、書いてきましたが、

実際は、ほよほよ揺れながら危なっかしく歩いている私に、世間はとても暖かく、「非接触!!」と叫ばれている中であっても、声をかけてくださる方は沢山います。

スーパーのおばさんたちはものすごーく親切だし、見えないことを理解してくださる方は、ほとんど例外なく「触る」ことを許してくれます。

もちろん、アルコールウェットティッシュの消費は激しいですが。ほほほ。


まだ、家の周りもよちよち歩きの私が、Needs の中でどんなことができるのか、全く持って見えていないのですが、いつか私も誰かの役に立てたらいいなーと、今日もトコトコ歩きながら考えています。


2021年9月 涼しくなってきたので、そろそろお気に入りのパーカー着ようかなーと浮つく頃。



西島玲那

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