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なぜ痛い?!マンモグラフィ検診


新年を迎え、寒さが身に染みる季節となりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

寒さに負けず体を温めるために今年に入ってジョギングを始めたNPO法人 Needsの峠です。今回は診療放射線技師の視点から、マンモグラフィ検診についてお話させて頂きます。




現在日本における乳がん検診でのマンモグラフィ撮影は、40代の女性に対し行われています。日本女性が乳がんにかかる割合は年々増えており、40代後半~50代前半と、60代にピークがあります。

何か症状が出てから検査にいけばよいと思われるかもしれません。しかし、1㎝のしこりに気づいたとき、そのしこりの中には、約10億個ほど(!!!)の乳がん細胞が含まれていると言われています。1個のがん細胞が生じてから触って気づくような大きさになるまでに、何年もの時間を重ねて成長しているのです。ですので、定期的に検診を受け、初期の状態で発見できるようにしましょう。



さて、乳がん検診、と聞くと、どんなイメージが湧くでしょうか?

たくさんの方が「マンモグラフィは痛い!」とおっしゃると思います。

私自身がマンモグラフィを撮影していて、「友人にちぎれるほど痛いと聞きました」「ネットで調べて痛いことに不安がいっぱいです」などという声を多くお聞きします。

マンモグラフィは、乳房を直接撮影台に置き、圧迫板と言われる板で上から押さえた状態で撮影をします。

この時の抑える圧力は、なんと12N、つまり12kgのお米で乳房を押しつぶされているような状態なんです!そりゃあ、痛いですよね。(実際に私も検査を受けたとき痛かったです。)でも、イジワルで痛くしているのではないんですよ(T.T)なぜ痛いのか?について説明します。




乳房を押さえると述べましたが、そのまま乳房を押しつぶすのではなく、実際には乳房内の乳腺を引き延ばした状態を作り、それを保つために2枚の板でぎゅっと挟み込む形になります。

なぜ乳房そのままの状態で検査ができないのか?それは、乳房の中に、乳腺がブドウの房のように分布をしているからです。そのままブドウの写真を撮ると、ブドウの房同士が重なってしまいますよね。乳房も同じです。そこで、乳腺の重なりをなるべくなくし、伸ばして広い範囲を見られるように、乳房を引き延ばした状態で撮影します。また、マンモグラフィ上で、乳腺と腫瘤(しこり)は同じような濃度で写ります。よく乳腺が伸びていない状態だと、乳腺の裏に腫瘤(しこり)が隠れて見えないのです。


他にも、乳房を引き延ばした状態で押さえる利点があります。乳房が固定されることでブレやボケが減り、細かな部分まで鮮明に観察することができます。乳房の厚みが薄くなることで、撮影の被ばく線量を減らすことができます。痛い、けれど、乳がんを発見するという目的ではいいことばかりなのです。


痛みの感じ方は人それぞれですが、少しでも痛みが少なくなる方がいいですよね。いくつかアドバイスをさせてください。

まず、検診日を選べるのであれば、月経期間付近に胸が張っている時期を避けるとよいと思います。また、乳房自体を押さえる痛みとは別に、皮膚を引っ張りすぎて痛かったり、機械の角が当たって痛かったりすることがあります。このような痛みは、技師の調整で和らげることができます。遠慮なく撮影中に声をかけてください。


痛い検査は受けたくないし、受ける際も憂鬱になりますよね。でも、痛いのは一瞬です。みんなで勇気を出して、乳がん検診を受けましょう!


お読み頂きありがとうございました。

今年1年どんな年にしたいですか?皆さまにとって幸せ溢れる1年となりますように。

体調を崩しやすい季節ですので、お体ご自愛ください。


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